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2024.1.0 - 日本語


schur

行列およびペンシルの[ソートされた] Schur 分解

呼び出し手順

[U,T] = schur(A)

[U,dim [,T] ]=schur(A,flag)

[U,dim [,T] ]=schur(A,extern1)



[As,Es [,Q,Z]]=schur(A,E)

[As,Es [,Q],Z,dim] = schur(A,E,flag)

[Z,dim] = schur(A,E,flag)

[As,Es [,Q],Z,dim]= schur(A,E,extern2)

[Z,dim]= schur(A,E,extern2)

引数

A

実数または複素数の正方行列.

E

Aと同じ次元の実数または複素数の正方行列.

flag

文字列 ('c' または 'd')

extern1

an ``external'', 以下の参照

extern2

an ``external'', 以下の参照

U

直交またはユニタリ正方行列

Q

直交またはユニタリ正方行列

Z

o直交またはユニタリ正方行列

T

上三角または準三角正方行列

As

上三角または準三角正方行列

Es

上三角正方行列

dim

整数

説明

Schur 形式, 行列およびペンシルのソートされた Schur 形式

行列Schur形式
通常のSchur形式:

[U,T] = schur(A) は, A = U*T*U' および U'*U = eye(U)となるような Schur行列T およびユニタリ行列 U を出力します. Schur(A)は,Tを返します. A が複素数の場合, 複素Schur形式は,行列Tに返します. 複素Schur形式は,Aの固有値を対角項に有する上三角行列です. A が実数の場合, 実数Schur形式が返されます. 実数Schur形式は,対角項に実数固有値、複素数固有値を対角項の2x2ブロックに 有します.

ソートされたSchur形式

[U,dim]=schur(A,'c') は, Aを Schur 形式に変換する ユニタリ行列 U を返します. 更に,Uの最初の列 dim は, 実部が負の固有値(安定な"連続時間"固有値空間) に関連するAの固有値空間 の基底を構成します.

[U,dim]=schur(A,'d') は, Aを Schur 形式に変換する ユニタリ行列 U を返します. 更に,Uの最初の列 dim は, 大きさが1未満の固有値(安定な"離散時間"固有値空間) に関連するAの固有値空間 の基底を構成します.

[U,dim]=schur(A,extern1) は, Aを Schur 形式に変換する ユニタリ行列Uを返します. 更に,Uの最初の列 dim は, 外部関数 extern1 (詳細は external 参照) により選択された固有値に関連するAの固有値空間 の基底を構成します. この external はScilab関数またはCまたはFortranプロシージャにより 次のように記述することができます:

Scilab関数

extern1が Scilab関数により記述される場合, 以下の呼び出し手順を有する必要があります: s=extern1(Ev), ただし Ev は固有値, s は論理値です.

C または Fortran プロシージャ

extern1 がCまたはFortran関数により 記述される場合,以下の呼び出し手順を有する必要があります: int extern1(double *EvR, double *EvI) ただし EvR および EvI は 固有値の実部および虚部です. trueまたはゼロでない戻り値は,選択された固有値を意味します.

ペンシルSchur形式
通常のペンシルSchur形式

[As,Es] = schur(A,E) は, 対A, Eの一般化Schur形式である 準三角行列As行列および三角行列Es を出力します.

[As,Es,Q,Z] = schur(A,E)は,更に As=Q'*A*Z および Es=Q'*E*Zとなるような 2つのユニタリ行列Q および Zを返します.

ソートされたSchur形式:

[As,Es,Z,dim] = schur(A,E,'c')は, ペンシルs*E-Aの実数一般化Schur形式を返します. 更に, Zの最初の列 dim は, 実部が負の固有値 (安定な"連続時間"一般化固有値空間)に関連する 固有値空間の基底を構成します.

[As,Es,Z,dim] = schur(A,E,'d')

は,ペンシルs*E-Aの 実数一般化Schur形式を返します. 更に, Zの最初の列 dim は, 大きさ1未満の固有値 (安定な"離散時間"一般化固有値空間)に関連する 固有値空間の基底を構成します.

[As,Es,Z,dim] = schur(A,E,extern2)

は,ペンシルs*E-Aの実一般化Schur形式を返します. 更に, Zの最初の列 dim は, 関数extern2により指定された規則に基づき選択された ペンシルの固有値に関する固有値空間の基底を構成します. (詳細は external 参照) この external は Scilab 関数またはCまたはFortranプロシージャ により次のように記述することができます:

Scilab関数

extern2がScilab関数により記述される場合, 以下の呼び出し手順を有する必要があります: s=extern2(Alpha,Beta), ただし Alpha および Beta は一般化固有値および論理値 s を定義します.

C またはFortranプロシージャ

if external extern2 がCまたはFortran関数により 記述される場合,以下の呼び出し手順を有する必要があります:

int extern2(double *AlphaR, double *AlphaI, double *Beta)

: A および E が実数の場合.

int extern2(double *AlphaR, double *AlphaI, double *BetaR, double *BetaI)

: A および E が複素数の場合. Alpha, および Beta は一般化固有値を定義します. trueまたは非ゼロの戻り値は,選択された一般化固有値を意味します.

参考

行列Schur形式の計算はLapackルーチンDGEES および ZGEESに基づいています.

ペンシルSchur形式の計算はLapackルーチンDGGES および ZGGESに基づいています.

//行列Schur形式
//----------------------
A=diag([-0.9,-2,2,0.9]);X=rand(A);A=inv(X)*A*X;
[U,T]=schur(A);T

[U,dim,T]=schur(A,'c');
T(1:dim,1:dim)      //安定な連続時間固有値

function t=mytest(Ev),t=abs(Ev)<0.95,endfunction
[U,dim,T]=schur(A,mytest);
T(1:dim,1:dim)

// Cの同じ関数 (コンパイラが必要)
cd TMPDIR;
C=['int mytest(double *EvR, double *EvI) {' //the C code
   'if (*EvR * *EvR + *EvI * *EvI < 0.9025) return 1;'
   'else return 0; }';]
mputl(C,TMPDIR+'/mytest.c')

//構築/リンク
lp=ilib_for_link('mytest','mytest.c',[],'c');
link(lp,'mytest','c');

//実行
[U,dim,T]=schur(A,'mytest');
//ペンシルのSchur形式
//----------------------
F=[-1,%s, 0,   1;
    0,-1,5-%s, 0;
    0, 0,2+%s, 0;
    1, 0, 0, -2+%s];
A=coeff(F,0);E=coeff(F,1);
[As,Es,Q,Z]=schur(A,E);
Q'*F*Z //これはAs+%s*Esです

[As,Es,Z,dim] = schur(A,E,'c')
function t=mytest(Alpha, Beta),t=real(Alpha)<0,endfunction
[As,Es,Z,dim] = schur(A,E,mytest)

//Fortranの同じ関数 (コンパイラが必要)
ftn=['integer function mytestf(ar,ai,b)' //fortranコード
     'double precision ar,ai,b'
     'mytestf=0'
     'if(ar.lt.0.0d0) mytestf=1'
     'end']
mputl('      '+ftn,TMPDIR+'/mytestf.f')

//build and link
lp=ilib_for_link('mytestf','mytestf.f',[],'F');
link(lp,'mytestf','f');

//実行

[As,Es,Z,dim] = schur(A,E,'mytestf')

参照

  • spec — 行列とペンシルの固有値
  • bdiag — ブロック対角化, 一般化固有ベクトル
  • ricc — リカッチ方程式
  • pbig — 固有投影
  • psmall — スペクトル投影
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