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backslash
(\) 左行列除算.
呼び出し手順
X = A \ B
説明
バックスラッシュは左行列除算を定義します.
X=A\B
は A*X=B
の解です.
A
が正方で非特異の場合,
X=A\B
は X=inv(A)*B
と等価です.しかし,計算はより正確で浮動小数点演算の負荷は小さくなります.
すなわち,線形システムの方程式A*X=B
の解を計算する際には,
バックスラッシュ演算子を使用するべきであり,inv
関数の
使用は避けるべきです.
A
が正方の場合, 解X
は
LU分解または線形最小二乗ソルバのどちらかにより計算できます.
A
の条件数が1/(10*%eps)
よりも小さい場合
(つまり,A
の条件が良い場合),ピボット選択付きLU分解が使用されます.
そうでない場合(A
の条件が悪い場合),
X
はA
の完全直交分解を用いて
||A*X-B||
を最小化する最小ノルム解となります
(すなわち,X
は線形最小二乗問題の解です).
A
が正方でない場合, X
は最小二乗解となります.
すなわち, norm(A*X-B)
は,最小値 (ユークリッドノルム)となります.
A
が列フルランクの場合,最小二乗解, X=A\B
, は
唯一の解 (norm(A*X-B)
を最小化する唯一の
X
が存在)となります.
A
が列フルランクでない場合, 最小二乗解は唯一ではなくなり,
X=A\B
は一般に最小ノルム解ではなくなります
(最小ノルム解は X=pinv(A)*B
です).
A.\B
は(i,j)
エントリが
A(i,j)\B(i,j)
となる行列となります.
A.\B
は
A*ones(B).\B
(または A.\(B*ones(A))
と等価になります.
A\.B
は定義されていない演算子です.
この演算子は, *
または /
のように
新しい演算子を定義する際に使用できます
(オーバーロード参照).
例
A=[ 9. -36. 30. -36. 192. -180. 30. -180. 180. ]; b=[ 3. -24. 30. ]; x=A\b A*x-b // ゼロに近い A=rand(3,2); b=[1;1;1]; x=A\b; y=pinv(A)*b; x-y A=rand(2,3);b=[1;1]; x=A\b; y=pinv(A)*b; x-y, A*x-b, A*y-b // ランク落ちの場合 A=rand(3,1)*rand(1,2); b=[1;1;1]; x=A\b; y=pinv(A)*b; A*x-b, A*y-b A=rand(2,1)*rand(1,3); b=[1;1]; x=A\b; y=pinv(A)*b; A*x-b, A*y-b // 複数の線形ソルバのベンチマーク [A,descr,ref,mtype] = ReadHBSparse(SCI+"/modules/umfpack/demos/bcsstk24.rsa"); b = zeros(size(A,1),1); tic(); res = umfpack(A,'\',b); mprintf('\nTime with umfpack: %.3f\n',toc()); tic(); res = linsolve(A,b); mprintf('\ntime with linsolve: %.3f\n',toc()); tic(); res = A\b; mprintf('\ntime with backslash: %.3f\n',toc());
参照
履歴
Version | Description |
5.5.0 | バックスラッシュの条件数の閾値が増加しました. |
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