Scilab Website | Contribute with GitLab | Mailing list archives | ATOMS toolboxes
Scilab Online Help
5.5.2 - 日本語

Change language to:
English - Français - Português - Русский

Please note that the recommended version of Scilab is 2025.0.0. This page might be outdated.
See the recommended documentation of this function

Scilabヘルプ >> Files : Input/Output functions > save_format

save_format

"save"で作成されるファイルの形式

概要

本文書の目的はデータをScilabでデータ保存に使用されるHDF5形式について規定することです.

この形式はSOD (Scilab Open Data) と呼ばれます.

SODの最初の公開リリースは Scilab 5.4.0で行われました.

動機

相互運用性は近代的なソフトウエアの主要な特性の一つです. この特性をより改善するため, このSEPにおいて HDF5 形式の標準定義 が提案されました.

Scilab 5.2.0以降, エキスポート/インポート機能が開発され, データ交換用に管理されています. これは, 既にデータを保存および交換するためのXcosの基本要素の一つです.

サポートされるデータ型

全てのScilabデータ型がサポートされます. 例えば:

A=32;

b=[32,2];

c=[2,2;3,4];

d=rand(10,10);
a="my string";

b=["string 1";"my string 2"];
a=%t;

b=[%t, %f];
名前 Scilabにおける例
double
string
boolean
integer
int8([1 -120 127 312])

x=int32(-200:100:400)
polynomial
s=poly([2 3],"s")

poly(1:4,'s','c')
sparse
sp=sparse([1,2;4,5;3,10],[1,2,3])
boolean sparse
dense=[%F, %F, %T, %F, %F

%T, %F, %F, %F, %F

%F, %F, %F, %F, %F

%F, %F, %F, %F, %T];

sp=sparse(dense)
list
l = list(1,["a" "b"])
tlist
t = tlist(["listtype","field1","field2"], [], []);
mlist
M=mlist(['V','name','value'],['a','b';'c' 'd'],[1 2; 3 4]);

複数の"types"は,tlist または mlist に基づいています. これは, rational, state-space, hypermat, cell および structの場合です. これらは透過的に保存されます.

voidおよび undefinedは, リスト管理において特別な場合を管理するために作成された特殊な要素です. これらはこの文書にて後述します.

HDF5ファイルの構造

Scilab HDF5 アーキテクチャは非常に簡単です.

General

各Scilab変数について, ルート位置におけるデータセットが宣言されます. データセットの名前はScilab変数の名前です.

例, 以下のコード:

emptyuint32matrix = uint32([]);

uint32scalar = uint32(1);

uint32rowvector = uint32([1 4 7]);

uint32colvector = uint32([1;4;7]);

uint32matrix = uint32([1 4 7;9 6 3]);

save("uint32.sod","emptyuint32matrix","uint32scalar","uint32rowvector","uint32colvector","uint32matrix");

produces:

各ルートデータセットはSCILAB_Classと呼ばれる 属性を有します.この属性は, HDF5ファイルに保持される変数の型を定義します.

変数がプリミティブ型で関連する複合値がない場合, データは直接データセットに保存されます. それ以外の場合, データセットは実際のデータへのリファレンスを有します.

各 SOD ファイルは2つの固有の変数を有します:

  • SCILAB_scilab_version ? SODファイルに保存する際に使用された Scilabのバージョンを記述します.

    例えば, Scilab 5.4.0の場合, このデータは以下となります:

    SCILAB_scilab_version = scilab-5.4.0

  • SCILAB_sod_version ? SODファイルに保存する際に使用された SOD規約のバージョンを記述します.

    例えば, Scilab 5.4.0の場合, このデータは以下となります:

    SCILAB_sod_version = 2

データがデータセット内で直線的に保存される型

Scilab 型 HDF5 Scilab 型属性 HDF5 属性 HDF データ型マッピング

string

SCILAB_Class = string

String

boolean

SCILAB_Class = boolean

32ビット 整数

integer

SCILAB_Class = integer

SCILAB_precision = {8, 16, 32, u8, u16, u32}

8 = 8ビット文字

16 = 16ビット整数

32 = 32ビット整数

u8 = 8ビット符号無し文字

u16 = 16ビット符号無し整数

u32 = 32ビット符号無し整数

これらの型について, Scilabにおける場合と同様に, データは1次元配列に保存されます.データは列方向に保存されます.

行列, ベクトルまたはスカラーを再構築するために, 2つの属性が列と行の数を指定します.

5.4.0リリースおよび SOD v2以降, SCILAB_cols およびSCILAB_rows は double, 整数, 多項式および文字列の行列ではもはや使用されなくなりました. SOD はネーティブな多次元HDF5機能を使用します.

宣言の保存: int32([1 -4 7;-9 6 -3]) は,hdfviewで以下のように表示されます:

metadataは以下のようになります:

int32matrix (800, 2)

32-bit integer, 3 x 2 => the size of the variable

Number of attributes = 2

SCILAB_Class = integer

SCILAB_precision = 32

スカラー値は1行1列の行列に保存されます.

空の変数 ([]) はtrueに設定された属性SCILAB_emptyを有します.

データが専用のグループに保存される型

Scilabデータ型の多くはグループで保存されます. これにより,値の分離を明確にでき,アクセスも容易になります.

グループは"#"で括られた変数から命名されます.例えば, matrixofdoubleと呼ばれるdoubleの行列の場合, ルートデータセットの名前は matrixofdoubleとなり, 関連するグループの名前は #matrixofdouble#となります.

再帰的なデータ型(list, mlist, tlist, etc)の場合, サブグループの名前が以下のように構築されます:

この # によりユニークなIDを作成できるようになります. 最初の#の数は深さのレベルを示します. 例えば, サブリスト ###listnested#_#2##_#1##は, 2番目のレベ得るに位置することを示します.

アンダースコア "_" は深さを表す手段です. 通常, "/" 文字がこのような場合に使用されますが, HDF5規約では予約済みキーワードとなっています.

名前で使用される整数は, カレントの構造における位置と親要素に関する位置の両方の意味で データ構造における位置を表します. 例えば, ###listnested#_#2##_#1##, は,親要素の3番目の構造の2番目の要素として扱われることを示します (要素は0から番号付けられます).

例えば, ###listnested#_#2##_#1##という名前のグループは, 以下の例では値 [32, 42] を指します:

listnested=list(2,%i,'f',ones(3,3))

listnested(3) = list( %t, [32,42]);

疎行列

Scilab 型: sparse

HDF5 Scilab 型属性: SCILAB_Class = sparse

HDF5 属性:

SCILAB_rows = <int>

行数

SCILAB_cols = <int>

列数

SCILAB_items = <int>

疎行列における要素数を定義

ルートデータセットの値:

最初の値 (#0#): このデータ構造の各要素は各行の非ヌル要素の数を示します. つまり, 最初の要素は疎行列の最初の行の要素数を示します.

2番目の値 (#1#): 疎行列の各要素の列の位置を示します.

3番目の値 (#2#): 疎行列における要素の実際の値へのリファレンスを保存します (この値は専用のグループに保存されます).

例えば, この行列を考えると:

0. 1. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0.

0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0.

0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 3.

0. 0. 0. 0. 2. 0. 0. 0. 0. 0.

これは以下の関数で生成されます:

sparse([1,2;4,5;3,10],[1,2,3])

これは以下となります:

#0# は,1;0;1;1を有します

#1# は,2;10;5を有します

#2# は,1.0; 3.0; 2.0を有する double(この例では複素数ではありません)の行列を参照します

論理値疎行列

Scilab型: boolean sparse

HDF5 Scilab 型属性: SCILAB_Class = boolean sparse

HDF5属性:

SCILAB_rows = <int>

行数

SCILAB_cols = <int>

列数

SCILAB_items = <int>

疎行列の要素数を定義

ルートデータセットの値: 疎行列は3つのデータセットを有しますが, 論理値疎行列は2つのみです.これは定義される値は自動的にtrueとみなされるためです.

最初の値 (#0#): このデータ構造の各要素は各行の非ゼロ要素の数を示します.

つまり, 最初の要素は疎行列の最初の行の要素数を示します.

2番目の値 (#1#): 疎行列の各要素の列の位置を示します.

以下の論理値疎行列について:

dense=[%F, %F, %T, %F, %F

%T, %F, %F, %F, %F

%F, %F, %F, %F, %F

%F, %F, %F, %F, %T];

#0#1;1;0;1を有します.

#1#3;1;5を有します.

論理値疎行列を再生するために必要な情報は2つのみです.

HDFデータ型マッピング:

32ビット整数

Double

Scilab 型: double

HDF5 Scilab 型属性: SCILAB_Class = double

ルートデータセットの値: 実数および複素数の値は共に#<variable name>#と 呼ばれるグループに保存されます.

最初の値: 実数値へのリファレンス. 名前は#0#.

行列が複素数の場合, 2番目の値は複素数の値へのリファレンスとなります. 名前は#1#.

HDF データ型マッピング: 64-bit floating-point

多項式

Scilab 型: polynomial

HDF5 Scilab 型属性: SCILAB_Class = polynomial

HDF5 属性:

SCILAB_Class = polynomial

SCILAB_varname = <string>

シンボル変数の名前

SCILAB_Complex = <boolean>

多項式が複素数の場合 (そうでない場合は設定されません)

ルートデータセットの値:

係数はdoubleの行列の形式で(double記憶領域の関連部分に)保存されます. 係数は,複素数にできるため,複素数の行列に保存されることに注意してください. (サブ)グループとデータセットの命名規則は 本章の先頭に記述されています.

HDF データ型マッピング: Object reference

list

Scilab 型: list

HDF5 Scilab 型属性:

SCILAB_Class = list

HDF5 属性: SCILAB_items = <リストの要素数>

ルートデータセットの値:

ルートデータセットに関連して,このデータセットで保存される値は リストに保存された値へのリファレンスです. 値は#<variable name>#と呼ばれるグループに保存されます. この #<variable name># グループにおいて, データは任意の型とすることができます. これらはグループに直線的に保存されます. その表現は他の場合と同様で,再帰的な構造にもとづきます (種々の型のリストのリストのリストが保存および読込みできることを意味します).

(サブ)グループとデータセットの命名規則は本章の先頭に記述されています.

HDF データ型マッピング: Object reference

tlist

Scilab型: tlist

HDF5 Scilab 型属性:

SCILAB_Class = tlist

HDF5 属性: cf list

mlist

Scilab type: mlist

HDF5 Scilab 型属性:

SCILAB_Class = mlist

HDF5 attributes: cf list

void

Scilab型: void

HDF5 Scilab 型属性:

SCILAB_Class = void

void値はlist, tlistおよびmlistの非常に特殊な使用法でのみ 現れます. 以下の構文で作成することができます:

voidelement_ref=list(1,,3);

undefined

Scilab 型: undefined

HDF5 Scilab 型属性:

SCILAB_Class = undefined

undefined 値はリストの大きさが増加し, いくつかの要素が未定義となった 場合に生成されます. これらは以下の構文で生成されます:

undefinedelement_ref=list(2,%i,'f',ones(3,3));

undefinedelement_ref(6)="toto"

実際の例

これらの変数全てについてサンプルファイルがScilabディストリビューションで 提供されています. これらは,以下のディレクトリで入手可能です: SCI/modules/hdf5/tests/sample_scilab_data/

本文書の編集時点で, 以下のファイルがScilabディストリビューションで提供されています:

booleanmatrix.sod

booleanscalar.sod

booleansparse.sod

emptymatrix.sod

emptysparse.sod

hypermatrixcomplex.sod

hypermatrix.sod

int16.sod

int32.sod

int8.sod

listnested.sod

list.sod

matricedoublecomplexscalar.sod

matricedoublecomplex.sod

matricedoublescalar.sod

matricedouble.sod

matricestringscalar.sod

matricestring.sod

mlist.sod

polynomialscoef.sod

polynomials.sod

sparsematrix.sod

tlist.sod

uint16.sod

uint32.sod

uint8.sod

undefinedelement.sod

voidelement.sod

フォーマットの進化

SOD バージョン Scilab バージョン 説明

0

5.2.0

Scilab/HDF5 形式の最初のバージョン

1

5.4.0 alpha / beta

読込み/保存のデフォルト形式

前の形式 (.bin) はまだサポートされます

2

5.4.0

double, 整数, 多項式および文字列について, 多次元 HDF5 を使用するため, SCILAB_cols / SCILAB_rows が削除されました.

6.0.0 (将来)

.bin サポートを廃止.

参照

  • save — バイナリファイルに1個または複数の変数を保存する
  • load — 保存した1個または複数の変数を読み込む
  • listvarinfile — 保存されたデータファイルの中の変数の一覧を得る
  • type — 変数の型を返す
  • typeof — オブジェクトの型
Report an issue
<< newest Files : Input/Output functions scanf >>

Copyright (c) 2022-2024 (Dassault Systèmes)
Copyright (c) 2017-2022 (ESI Group)
Copyright (c) 2011-2017 (Scilab Enterprises)
Copyright (c) 1989-2012 (INRIA)
Copyright (c) 1989-2007 (ENPC)
with contributors
Last updated:
Wed Apr 01 10:25:03 CEST 2015