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dae
微分代数方程式ソルバ
呼び出し手順
y=dae(initial,t0,t,res) [y [,hd]]=dae(initial,t0,t [,rtol, [atol]],res [,jac] [,hd]) [y,rd]=dae("root",initial,t0,t,res,ng,surface) [y ,rd [,hd]]=dae("root",initial,t0,t [,rtol, [atol]],res [,jac], ng, surface [,hd])
パラメータ
- initial
列ベクトル.
x0
または[x0;xdot0]
に等しくなります. ただし,x0
は初期時刻t0
における状態量の値,ydot0
は状態量の微分の初期値またはその推定値(下記参照)です.- t0
実数, 初期時刻.
- t
実数のスカラーまたはベクトル. 解を計算する時刻を指定します.
%DAEOPTIONS(2)=1
と設定することにより DAEの各ステップで解が得られることに注意してください.- rtol
実数のスカラーまたは
x0
と同じ大きさの 列ベクトル. 解の相対許容誤差.rtol
がベクトルの場合, 状態量の各要素毎に許容誤差が指定されます.- atol
実数のスカラーまたは
x0
と同じ大きさの 列ベクトル. 解の絶対許容誤差.rtol
がベクトルの場合, 状態量の各要素毎に許容誤差が指定されます.- res
外部ルーチン.
g(t,y,ydot)
の値を計算します. 以下のようになります- Scilab関数
この場合, その呼出し手順を
[r,ires]=res(t,x,xdot)
とする 必要があり,res
は 残差r=g(t,x,xdot)
とエラーフラグires
を返す必要があります.res
がr
の計算に 成功した場合にはires = 0
,(t,x,xdot)
のローカルな残差が定義されない 場合には=-1
, パラメータが許容範囲外の場合は=-2
となります.- リスト
外部ルーチンのこの形式は 関数にパラメータを指定する際に使用されます. 以下のような形式とします:
list(res,p1,p2,...)
ただし,ここで関数
res
の呼び出し手順は以下のようになりますr=res(t,y,ydot,p1,p2,...)
この場合も
res
は(t,x,xdot,x1,x2,...)
の関数として残差の値を返し, p1,p2,... は関数のパラメータです.- 文字列
CまたはFortranルーチンの名前を指します. <r_name> が指定した名前であると仮定します.
Fortranの呼出し手順は以下のようにします
<r_name>(t,x,xdot,res,ires,rpar,ipar)
double precision t,x(*),xdot(*),res(*),rpar(*)
integer ires,ipar(*)
Cの呼出し手順は以下のようにします
C2F(<r_name>)(double *t, double *x, double *xdot, double *res, integer *ires, double *rpar, integer *ipar)
ただし,
t
はカレントの時刻x
は状態量の配列xdot
は状態量の微分の配列res は残差の配列
ires
は実行インジケータrpar
は浮動小数点数の パラメータ値の配列で, 必要ですがdae
関数により 設定できないものipar
は整数の パラメータ値の配列で, 必要ですがdae
関数により 設定できないもの
- jac
外部ルーチン. 指定したパラメータの値
cj
を用いてdg/dx+cj*dg/dxdot
の値を計算します. 以下のようになります- Scilab関数
呼出し手順を
r=jac(t,x,xdot,cj)
とする 必要があり,jac
関数はr=dg(t,x,xdot)/dy+cj*dg(t,x,xdot)/dxdot
を返す必要があります. ただし,cj
は実数スカラーです.- リスト
外部ルーチンのこの形式は 関数にパラメータを指定する際に使用されます. 以下のような形式とします:
list(jac,p1,p2,...)
ただしこの場合の関数
jac
の呼び出し手順は 以下となりますr=jac(t,x,xdot,p1,p2,...)
この場合でも
jac
は,(t,x,xdot,cj,p1,p2,...)
の関数としてdg/dx+cj*dg/dxdot
を返します.- 文字列
CまたはFortranルーチンの名前を指します. <j_name> が指定した名前であると仮定します.
Fortranの呼出し手順は以下のようにします
<j_name>(t, x, xdot, r, cj, ires, rpar, ipar)
double precision t, x(*), xdot(*), r(*), ci, rpar(*)
integer ires, ipar(*)
Cの呼出し手順は以下のようにします
C2F(<j_name>)(double *t, double *x, double *xdot, double *r, double *cj,
integer *ires, double *rpar, integer *ipar)
ただし
t
, x, xdot, ires, rpar, ipar は上記と似た定義を有し, r は配列の結果です.
- surface
外部ルーチン.
ng
個の要素を有する列ベクトルsurface(t,x)
の値を計算します. 各要素は面(surface)を定義します.- Scilab関数
その呼び出し手順は
r=surface(t,x)
とする 必要があり,この関数はng
個の要素を有する ベクトルを返す必要があります.- リスト
外部ルーチンのこの形式は 関数にパラメータを指定する際に使用されます. 以下のような形式とします:
list(surface,p1,p2,...)
ただしこの場合の関数
surface
の呼び出し手順は 以下となりますr=surface(t,x,p1,p2,...)
- 文字列
CまたはFortranルーチンの名前を指します. <s_name> が指定した名前であると仮定します,
Fortranの呼出し手順は以下のようにします
<r_name>(nx, t, x, ng, r, rpar, ipar)
double precision t, x(*), r(*), rpar(*)
integer nx, ng,ipar(*)
Cの呼出し手順は以下のようにします
C2F(<r_name>)(double *t, double *x, double *xdot, double *r, double *cj,
integer *ires, double *rpar, integer *ipar)
ただし,
t
, x, rpar, ipar は 上記と同じ定義を有し,ng
は surfacesの数,nx
は状態量の次元, r は結果の配列です.
- rd
2個のエントリ
[times num]
を有するベクトル.times
は面が交差した時刻の値,num
は交差した面の数です- hd
実数のベクトル,
dae
コンテキストを保持する出力. (ホットスタートで)積分を再開するための入力引数として使用可能です.- y
実数の行列.
%DAEOPTIONS(2)=1
の場合, 各列 はベクトル[t;x(t);xdot(t)]
です. ただし,t
は解が計算された時刻です. それ以外の場合,y
はベクトル[x(t);xdot(t)]
です.
説明
dae
関数は,
陰的な微分方程式積分用に設計された
dassl および dasrt
関数の上位に構築されたゲートウエイです.
g(t,x,xdot)=0 x(t0)=x0 and xdot(t0)=xdot0
引数initial
にxdot0
が指定されない場合,
dae関数は g(t,x0,xdot0)=0 を解くことによりこれを計算しようとします.
xdot0
が initial
引数で指定された場合,
g(t,x0,xdot0)=0 を満たす互換性がある微係数または近似値の
どちらかとなります.
後者の場合,
%DAEOPTIONS(7)
を
1 に設定する必要があります.
Scilab および C でコーディングされた外部ルーチンを使用する詳細な例については,
modules/differential_equations/tests/unit_tests/dassldasrt.tst
で提供されています.
例
// Scilabコードを使用する例 function [r, ires]=chemres(t, y, yd) r(1) = -0.04*y(1) + 1d4*y(2)*y(3) - yd(1); r(2) = 0.04*y(1) - 1d4*y(2)*y(3) - 3d7*y(2)*y(2) - yd(2); r(3) = y(1) + y(2) + y(3)-1; ires = 0; endfunction function pd=chemjac(x, y, yd, cj) pd=[-0.04-cj , 1d4*y(3) , 1d4*y(2); 0.04 ,-1d4*y(3)-2*3d7*y(2)-cj ,-1d4*y(2); 1 , 1 , 1 ] endfunction x0=[1; 0; 0]; xd0=[-0.04; 0.04; 0]; t=[1.d-5:0.02:.4, 0.41:.1:4, 40, 400, 4000, 40000, 4d5, 4d6, 4d7, 4d8, 4d9, 4d10]; y=dae([x0,xd0],0,t,chemres);// 指定した観測時刻での点を返す %DAEOPTIONS=list([],1,[],[],[],0,0); // dae メッシュ点を返すかどうかを確認 y=dae([x0,xd0],0,4d10,chemres); // ヤコビアン指定なし y=dae([x0,xd0],0,4d10,chemres,chemjac); // ヤコビアン指定あり // C コードの例 (Cコンパイラが必要) -------------------------------------------------- //-1- Cコードを TMPDIR に作成 - Vanderpol 方程式, 陰形式 code=['#include <math.h>' 'void res22(double *t,double *y,double *yd,double *res,int *ires,double *rpar,int *ipar)' '{res[0] = yd[0] - y[1];' ' res[1] = yd[1] - (100.0*(1.0 - y[0]*y[0])*y[1] - y[0]);}' ' ' 'void jac22(double *t,double *y,double *yd,double *pd,double *cj,double *rpar,int *ipar)' '{pd[0]=*cj - 0.0;' ' pd[1]= - (-200.0*y[0]*y[1] - 1.0);' ' pd[2]= - 1.0;' ' pd[3]=*cj - (100.0*(1.0 - y[0]*y[0]));}' ' ' 'void gr22(int *neq, double *t, double *y, int *ng, double *groot, double *rpar, int *ipar)' '{ groot[0] = y[0];}'] mputl(code,TMPDIR+'/t22.c') //-2- コンパイルの後,ロード ilib_for_link(['res22' 'jac22' 'gr22'],'t22.c',[],'c',[],TMPDIR+'/t22loader.sce'); exec(TMPDIR+'/t22loader.sce') //-3- 実行 rtol=[1.d-6;1.d-6];atol=[1.d-6;1.d-4]; t0=0;y0=[2;0];y0d=[0;-2];t=[20:20:200];ng=1; //簡単なシミュレーション t=0:0.003:300; yy=dae([y0,y0d],t0,t,atol,rtol,'res22','jac22'); clf();plot(yy(1,:),yy(2,:)) //find first point where yy(1)=0 [yy,nn,hotd]=dae("root",[y0,y0d],t0,300,atol,rtol,'res22','jac22',ng,'gr22'); plot(yy(1,1),yy(2,1),'r+') xstring(yy(1,1)+0.1,yy(2,1),string(nn(1))) //次の点までホットリスタート t01=nn(1);[pp,qq]=size(yy);y01=yy(2:3,qq);y0d1=yy(3:4,qq); [yy,nn,hotd]=dae("root",[y01,y0d1],t01,300,atol,rtol,'res22','jac22',ng,'gr22',hotd); plot(yy(1,1),yy(2,1),'r+') xstring(yy(1,1)+0.1,yy(2,1),string(nn(1)))
参照
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