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- jwrap
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入門 - 第1ステップ
Java Scilab バインディングを使用するには?
説明
このモジュールの目的は, Javaオブジェクトおよびデータ型を 読込み, 相互作用を行えるようにすることです.
基本
始める前に, 多くの重要な関数とその動作を知っておくと良いでしょう. これらの多く使用される関数は, 以下のScilab関数です:
jimport はjava命令 'import' の機能を模擬する関数で, 指定したクラス定義/指定したクラスのテンプレートをメモリに読込みます. 読み込まれた際, この定義が静的メソッド/メンバへのアクセス, 新規オブジェクト作成の際に使用されます. k
jinvoke はjavaクラスまたはオブジェクトの指定したメソッドを コール(invoke)する関数です. このinvokeは,実際のメンバシグネチャと一致する 一連のオプションのパラメータを有します. これは,同数のパラメータを指定し,これらの引数が正しい型を有している 必要があることを意味します.
例1: 基底クラスを作成し, 簡単なメソッドをコール
この最初の例では,Javaを動作させる3つの基本的な柱を扱います. 最初はクラスの読込みで, 次はインスタンスの構築, 最後はこのメソッドまたはメンバの一つをコールすることです.
例HelloWorld
で示されたものと同様の基底クラスを考えます.
このクラスは,構築時にメッセージを生成するデフォルトのコンストラクタを有し,
コール時にメッセージを表示する公開メソッドを1つ有します.
このクラスは, javaバイトコードにコンパイルする必要があります.
コードを開発する際には, この部分は通常IDE(integrated development environment)
により処理されます.
外部ライブラリを使用する場合, プリコンパイル形式(JARでパックされた)のものが
利用可能です.
// HelloWorld.javaという名前で保存 package com.foo; public class HelloWorld { public HelloWorld() { System.err.println("HelloWorld constructed!"); } public void message() { System.err.println("Hello world!"); } }
// ScilabからJavaコードをコンパイルする方法 javacode=mgetl(fullfile(TMPDIR, 'HelloWorld.java')); jcompile("com.foo.HelloWorld",javacode);
このJavaクラスのコンパイル版が既に存在する場合, Scilabを起動し, Scilabに種々のメッセージを表示させることができます. HelloWorldクラスをワークスペースにインポートすることができます. これは, 前述のインポート手順により以下のように行うことができます:
-->jimport com.foo.HelloWorld -->HelloWorld HelloWorld = class com.foo.HelloWorld -->whos -name HelloWorld Name Type Size Bytes HelloWorld _EClass ? 168
完了後, HelloWorldという名前の変数が作成されています. これは, Javaにおけるクラスオブジェクトと等価です. このクラスオブジェクトから, HelloWorld型の新規オブジェクトを作成できます.
オブジェクトのインスタンスの作成は,クラス定義に newを呼び出すことで行います. このクラスの引数は, Javaコンストラクタに移譲されるパラメータです. この処理の結果は, Javaオブジェクトへのリファレンスで, 後で使用するために変数に保存できます.
-->object = HelloWorld.new(); HelloWorld constructed! -->object object = com.foo.HelloWorld@49aacd5f -->whos -name object Name Type Size Bytes object _EObj ? 160
new 演算子が JClassでコールされた際, Javaコンストラクタが透過的に呼び出され, メッセージ"HelloWorld constructed!"が 表示されます. 生成されたHelloWorld オブジェクトは"object"変数に保存されます. このメッセージはHelloWorldクラスのtoStringメソッドをオーバーライドすることにより カスタマイズできます.
ここで,特定のHelloWorldオブジェクトが作成され,
宣言された公開メソッドがを以下のようにコールできるようになりました;
HelloWorld\#message()
.
newと同様な技法を
メソッドを呼び出す際に使用できます:
-->object.message(); Hello world!
ドット演算子 (オブジェクトとメッセージの間にドット)は 便利なショートカットで,以下のようなScilabコードのスニペットを拡張します. このショートカットの仕様により, メソッドを呼び出したり, メンバ変数を取得したりすることがより簡単かつ明快になります.
-->jinvoke(object, 'message'); Hello world!
例 2: Scilab と Java のプリミティブを相互変換
この例は,基本的なデータ型と文字列をScilabとJavaの間で交換 する手法を扱います. 複数の型のオブジェクトをこれらの2つの言語の間で渡します.
ここでは,例となるクラス(Class Inspector 参照)が オブジェクトを入出力するよう定義されます. 2つのメソッドが定義されています. 最初のメソッドは doubleを1つ引数とし,算術演算をして, 結果を返します: Inspector#eval(double). もう一つのメソッドは, 任意のオブジェクトを引数とし, 基本的な情報を表示して,返します: Inspector#inspect(Object).
// Inspector.java という名前で保存 package com.foo; public class Inspector { public double eval(double x) { return x / 2.; } public Object inspect(Object prototype) { System.err.println("Inspecting: '" + prototype + "'"); System.err.println("Class: " + prototype.getClass().getSimpleName()); return prototype; } }
前の例と同様に, このコードは使用前にコンパイルしておく必要があります.
// Scilab から Javaコードをコンパイルする方法 javacode= mgetl(fullfile(TMPDIR, 'Inspector.java')); jcompile("com.foo.Inspector",javacode);
-->jimport('com.foo.Inspector'); -->myInspector = Inspector.new() myInspector = com.foo.Inspector@2a788315
-->result = myInspector.eval(12.5) result = 6.25 -->result * 2 ans = 12.5 -->whos -name result Name Type Size Bytes result constant 1 by 1 24
-->result = myInspector.eval(12.5) result = 6.25 -->result * 2 ans = null -->whos -name result Name Type Size Bytes result _EObj ? 160
-->result = junwrap(result) result = 6.25 -->whos -name result Name Type Size Bytes result constant 1 by 1 24 -->result * 2 ans = 12.5
-->jautoUnwrap(%f) // 自動unwrapを無効にします -->result = myInspector.inspect("Hello world!"); Inspecting: 'Hello world!' Class: String -->whos -name result Name Type Size Bytes result _EObj ? 160 -->result = junwrap(result) result = Hello world! -->whos -name result Name Type Size Bytes result string 1 by 1 72 // 整数 -->result = myInspector.inspect(int32(150)); Inspecting: '150' Class: Integer -->result = junwrap(result) result = 150 -->whos -name result Name Type Size Bytes result int32 1 by 1 40 // 論理値 -->result = myInspector.inspect(%t); Inspecting: 'true' Class: Boolean -->result = junwrap(result) result = T -->whos -name result Name Type Size Bytes result boolean 1 by 1 16
--> jautoUnwrap(%t) // コールを自動unwrapするデフォルトのモードに戻します -->result = myInspector.inspect(1:5) Inspecting: '[D@b05236' Class: double[] result = 1. 2. 3. 4. 5. -->whos -name result Name Type Size Bytes result constant 1 by 5 56 -->result = myInspector.inspect(testmatrix('magi',3)) Inspecting: '[[D@11d13272' Class: double[][] result = 8. 1. 6. 3. 5. 7. 4. 9. 2. -->whos -name result Name Type Size Bytes result constant 3 by 3 88
履歴
Version | Description |
5.5.0 | 関数が導入されました. 'JIMS'モジュールに基づきます. JIMSモジュールとの動作上の主な違いは, jautoUnwrapがデフォルトで 有効になっていることです. |
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